
『星のカービィ64』でリボンちゃんがポップスターに墜落する確率・・・らしきもの(二訂版)
さて、みなさんも知っている通り、『星のカービィ64』のオープニングでは、妖精の星リップルスターから秘宝クリスタルを持って脱出した妖精リボンちゃんが、三体のダークマター(ダーク兄弟)に体当たりを食らわされ、クリスタルはバラバラに、肝心のリボンちゃんはカービィのいる星、ポップスターへと墜落します。
この時、こう思った方も多いことでしょう。『よくもまぁたまたま、カービィのいる星に墜落したよなー。』と。
───実は私が今回の研究を始めるに至ったのも、こういう疑問を抱いたとあるお客様からのメールのおかげでした。『リボンちゃんがポップスターに墜落する確率を求めて下さい!』と。
このメールを見た時の最初の私の感想は、次のようでした。
『「確率」ってぇのはそんな簡単なもんじゃないんだよなぁ・・・』
実際私は確率論大の苦手ですが、これはそういう理由でこう思ったのではありません。
実に、『確率』とはそんな単純なものではないのです。数学や物理の世界では。
まさにリボンちゃんが墜落したとき、その墜落する方向はどっちでも良かったのです。しかもそこに重力の影響が加わってくると非常に難しくなって・・・私には果てしない研究のように思えました。
だから私は、確率なんて計算できるはずないだろうなぁ、と思いながらもこの研究を始めたのですが・・・
驚くべき結果が出たので、ここに発表したいと思います(何
・・・ではでは、ここからレポートを始めたいと思いますので、どうぞごゆっくりとご賞味ください。。。
まず最初に、当時の様子についておさらいしておきましょう。
リボンちゃんは三人のダーク兄弟に体当たりをかまされ、前方に吹っ飛んだわけなのですが・・・この時、三人のダーク兄弟はリボンちゃんの背後から、全員同じ入射角度で体当たりを食らわせます。
すなわち、ダーク兄弟の間に質量の差がない限り、速度の合成により、リボンちゃんは自分が向いている方向に向かって吹っ飛んでゆくといえます。
(*鋭い読者様は『ダーク三兄弟に質量の差がないという証拠が何もない!』と思ったかも知れませんが、実はこのレポート、三人に質量の差があったとしても同じ結果になってしまうのです^^; ですからここではあえてそこには触れずに、先に進めることにしましょう。)
さてここで、ほしかすは画面を見ながらストップウォッチと物差しで測定してみました。
リボンちゃんの身長をカービィと比較して20cmと仮定したとき、リボンちゃんが吹っ飛んでゆくときの初速vは・・・
v=8/(3π) [m/s]
である、と、測定の結果出てきました。
さて速さの話はしばらくおいといて、まず手始めにリボンちゃんとポップスターの中心の距離を求めたいと思います。
つまり、リボンちゃんとダーク兄弟が激突した地点を点R、ポップスターの中心を点Sとしたときの、辺SRの長さを求めるわけです。
分かりやすいように図で表すと、下のようになります。

また、リボンちゃんの初速をv、ポップスターの長径をpとします。また、リボンちゃんが墜落する様子はテレビ上で第三者の視点から映されているので、この観測地点を点Oとしましょう。
この時、SRの値を求めるわけなのですが、実際、点Sと点Rの距離は充分に大きいと見なすことが出来るので、まずSRの値をSOの値で近似します。
SR〜SO
さて、こうして問題はムービーの映像の観測地点からポップスターまでの距離を求めることに帰結しました。
この時ヒントとなるのが、実際の大きさはpであるポップスターが、一体どれだけ小さく見えているのか、ということです。みなさんも知っている通り、物体が遠くにあればあるほど小さく見えますから、その小さく見える度合いがわかれば距離もわかる、ということです。
衝突の瞬間前後の画面では、リボンちゃんとポップスターがほぼ同じ大きさに見えています。この瞬間、O点から観測されるリボンちゃんの像とポップスターの像は重なるということですから、下の図が作図されます。

つまりこのようであれば、O点から見てリボンちゃんとポップスターが同じ大きさに見えるぞ!ということなので・・・
あとは三角形の相似関係を利用して、
SO=10p・RO
と出ます。
更に未知数が増えてしまいますが、RO=qとしましょう。
SO=10pq。これをリボンちゃんとポップスターの中心の距離として定義します。
・・・さて、リボンちゃんとポップスターの間の距離がわかったところで、いよいよ本題、リボンちゃんがポップスターに墜落する確率というのを求めたいと思います。
リボンちゃんがポップスターに墜落するためには、リボンちゃんを質量mの質点と見なした時に無限遠点での運動エネルギーが正の値を取らなければよいわけですから(無論、運動エネルギーが負になるなんてことはありませんから、正確に言えば『形式的に計算した運動エネルギーの値が負』ですね^^;}、ポップスターの質量をM、重力定数をGとすると、
(mv^2)/2 - GMm/(SO)<0
∴M/p>1.08q×10^11
かくして、リボンちゃんがポップスターに落ちるようなpの満たすべき範囲が制定されます。
さて肝心のMはと言うと、これはニュートンの万有引力の式を使って求めることが出来るはずだと考えられます。つまりポップスターの地表付近での任意の位置について、その位置とポップスターの中心の距離をr、その場所での重力加速度をgとすると、重力定数Gを用いて、
g=GM/r^2
が、必ず成り立ちます。よってMについてこれを解き、
M=gr^2/G
です。つまり、あるgとrの組み合わせが判明しさえすれば、質量Mが明らかになります。
───ところでgと言えば、ほしかすは過去のルポでポップスター地表付近での平均重力加速度を求めたことがあります(実はこれ、この研究のための予備研究に過ぎなかったんですね^^;)。その結果を引用すれば、g=15.7m/s^2とのことでした。後はこの値と対応するようなrを値が分かりさえすれば・・・
そこでg=15.7が『平均的な』重力加速度であることから、恐らくこれと対応するrも『平均的な』ものなのではないかと予測が立ちます。そこでg=15.7と対応しうるrの値をr=r0、ポップスターにおける体積的平均半径(ポップスターと同じ体積になるような球体の半径のことを、ここではこう呼んでいます)を<r>とした時、r0=<r>が成り立つと仮定するのです。
・・・本来ならこの仮定を証明するためあれこれ努力してみたり、この仮定が間違っていたにしろ近似的にこれを用いることが出来ないか必死に考察したりするべきなのですが、私にはどうもアイディアが閃かなかったので、この仮定を証明無しで用いてしまいます^^;(ぉ
然しこの大胆な仮定を用いると、話は非常に簡単になります。つまり上の式においてr=<r>、g=15.7とし、
M=15.7<r>^2/G ただし4π<r>^3/3はポップスターの体積に等しい
です。
さて、次にポップスターの体積を求めればいいわけですが、64の画像を元に測定するとポップスターの『厚み』(もちろんこれは、ポップスターを水平に切断した時の断面図が奇麗な星形になるようにポップスターを水平面上においた時の、最大の高さのことです)はpを用いて、約p/2です。
そこで、ポップスターの厳密な体積を求めることは早くも諦めて(あの形を表現するための方程式が思い浮かびませんしね^^;)、『図形的に明らかに、半径がp/4の球はポップスターの内部に収まる』ことを利用します(明らかに無駄の多い評価ですが、これでも十分良い結果が得られることを、ここで念のため確認しておきます)。つまりポップスターの体積をVとし、
V>πp^3/48
∴<r>>p/4
を得ます。更にMの式にこれを適用し、
M=15.7<r>^2/G>15.7p^2/16G=1.47p^2×10^10
∴M/p>1.47p×10^10
ここでリボンちゃんがポップスターに墜落するための条件式はM/p>1.08q×10^11でしたから、もし
1.47p×10^10>1.08q×10^11 ならば M/p>1.08q×10^11
であるのは明らかです。
これは仮定の話ですが、左の式を整理すると・・・
1.47p×10^10>1.08q×10^11 ⇔ p>10.8q/1.47=7.35q
p>7.35q ならば リボンちゃんはポップスターに墜落する
という結論が得られます。
『ポップスターの長径は、この瞬間の観測者とリボンちゃんの距離の7.35倍より大きいか否か』という問題です。
もちろんそんなものはわかりませんが、おおよそ確かです。
pはいわば星の大きさ。途方もなく大きな値です。それに対して観測者とリボンちゃんの距離はもう明らかに超極至近距離。身長20cmそこらの妖精があの大きさで目視できる距離なんて、100mも離れていないでしょうから。
つまりp>7.35qは、確かな数式で証明することはできなくても、九分九厘、それ以上に真であると言って良いでしょう。つまり・・・
リボンちゃんはポップスターに墜落しますね^^;
つまりポップスターは、リボンちゃんが墜落するための十分条件を明らかに満たしていますから、今回のルポの結論としましては、リボンちゃんの飛んでゆく方向に関わらず、リボンちゃんは確実にポップスターの重力に引かれてに墜落する、ということですね。
───これって、ダーク三兄弟がどう頑張ってもリボンちゃんはポップスターに墜落するってことじゃ・・・?(ぉ
───かくして、『星のカービィ64』のオープニングムービーの知られざる舞台裏が明らかになりました。
ダーク兄弟がリボンちゃんを追う。
↓
リボンちゃん逃げる!
↓
逃げることに夢中になりすぎて、リボンちゃんがポップスターの重力圏に入ってしまう。
↓
追うことに夢中になりすぎて、ダーク兄弟もつられてポップスターの重力圏に入ってしまう。
↓
ダーク兄弟に体当たりされ墜落するリボンちゃん。
↓
当たり前だが、重力圏に入っているため、重力に引かれてダーク兄弟も墜落。
↓
かくして上陸したリボンちゃんとダーク兄弟。ダーク兄弟はクリスタルを拾った三人に乗り移って・・・
・・・ダーク兄弟よ。
・・・お前ら、落ちたんかい!!(笑
(*最後の方はちょっと受け狙いのノリでした^^;(ぉぃ) 実はダーク兄弟には、惑星の重力を振り切るくらいのパワーがあるんですね。リップルスターの重力圏も振り切ったくらいですし。)
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