遥かなる旅の果てに [17]



-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/11/10(Wed) 21:00
投稿者名:踊る米玉・十瑠


「ダークマインド達は治ったか。……攻められる様ならば、
隙を見て奴らを一気に叩くぞ」
ナイトメアは報告をしていたダークマターにそう告げた。
「了解シマシタ」
ダークマターはナイトメアの報告を受け、部屋を去る。
それと入れ違いに入って来たのが、ソグネと銀。
「……帰還したか」
「デストル様の命令で……です」
後ろにいるソグネに言い聞かせる様に答える銀。
「マトリエス号は破壊出来ませんでした。
星間転移を使用する者も不明のままでしたし……」
「そうか。……おお、そう言えばデストル様に来客があったらしい。
銀、行ってくれぬか。ソグネは残って戦略を練れ」
「……? 来客……ですか」
銀は少し首を傾げたが、デストルのいる部屋へと向かった。
ソグネはなにやら不満げな顔でナイトメアと戦略会議を始める。







「銀か」
久しぶりに生で聞く、命の恩人――デストルの声。
「デストル様、来客とは――」
「オレのコトさ♪」
声のした方を振り向くと、部屋の壁にもたれかかっている少年が
銀をにやけた笑い顔で見つめていた。
「……デストル様、この方は?」
「我々に最も重要な情報を持って来た。……『時の秘術』だ」
「『時の秘術』!! ……時を自由に操作出来る
伝説の秘術ですか!?」
銀が驚いたのを見て、少年は悪魔の様にケケケッと笑った。
「そう。ルブアルハリのジイさんは自分以外誰も知らないと
思い込んでるみたいだがね。……そうはとんやがおろさない。
オレだって知ってたのさ。だから教えに来た。
……イヤならオレは帰るぜ」
「……何故ですか?」
「教えに来た理由かい? なアに、簡単なことさ。
オレは世界を支配したかった。だが、一人じゃ到底無理だった。
――だからあんたらみたいな強い奴らと手を組むことにしたのさ、
銀君」
「……」
「デストルさん、どうだい? まア、今動ける奴らはおそらく
『欠片の守護』の力が働いてる。だから『時の秘術』をもってしても
何も出来ない……が、それ以外の奴らはどうとでも出来るぜ?
自由自在だ! 動かせるし、再び停められる。お望みとあらば
逆再生だって――」
「デストル様、こんなふざけた人を仲間にするなどと……」
少年がムッとした顔になるのを無視し、銀が叫ぶ。
デストルは相変わらず表情を変えずに、銀に答えた。
「『時の秘術』は我々にとって重要なもの。
それをわざわざ教えに来た者を追い返す気はない。
……だが、万一我々を裏切ろうとした時は――」
デストルが銀に向けた視線の意味を、銀は一瞬で悟った。
「そういうことならば……」
「なアに、心配なさんなって。足を引っ張ったりはしねえよ。
……オレだって戦えるさ」
そういって髪をかきあげる少年。――そこには、一つの目。
「……三つ目、ですか」
「あら、驚かんか。……武器だって呼び寄せりゃちゃんとある。
そーゆーワケだ。よろしくな、銀さん」
フレンドリーに肩を叩く少年。どうやらその態度からして、
少年は自分と組みたがっている様だ。
「……名前を聞いていませんでしたね」
「クローセルだ。ロセルでいい」
「分かりました。よろしく、ロセルさん」


闇は動き出す。






―――――

出しちゃった(何

では、簡単な説明を。


名前:クローセル(愛称:ロセル)
性別:男
所属:デストルイール軍
容姿:黒いクセっ毛の短髪に何故か汚れて黄土色になったボタンの付いている
黒い学生服にズボン。
性格:陽気に喋るが、悪巧みの天才。

-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/11/11(Thu) 00:35
投稿者名:グレイスデビル


「残念ながら俺が来たからにはお前の思い通りにはならないぜ。」
ケルベロスは手に持った大柄の斧をミラクルマターに向ける。
その後ろではメタナイトが地面にへばっている。
「あなた、何で動けるの。」
ミラクルマターは突然のイレギュラーに困惑している。
「よくは知らないけどな、俺は満月だと絶好調なんだよ。」
そうして又ニヤリと笑う。
ミラクルマターは目の前の少年をようやく認めたようだ。
「ふ、ふん。まあいいわ。1人だろうが2人だろうがさして変わりは無いわ。」
言うと、メタナイトとケルベロスの周りを取り囲んでいたダークマターを一斉に2人へと向かわせた。
それに対しケルベロスは斧をどっしりと構える。
メタナイトは剣を構えたいのだが、生憎それは先ほどの爆発で少し先まで飛んでいっている。
取りに行くには少々遠い距離だ。
仕方なくメタナイトは羽で鎧のように体を固める。
しかしそれは無駄に終わった。
闇夜に満月を反射して光る3筋の弧がダークマターの間を駆け巡る。
それらはケルベロスが斧で作り出したものだ。
その一閃だけで3,4体のダークマターを薙ぎ払う。
ダークマターが減るとメタナイトは剣までの道を見る。
今なら、いける。
そう思ったメタナイトは自分の剣へと翔ける。
そして剣を掴むとすぐさま振り向き、自信の後ろにつけていたダークマターを斬りつける。
そのままの調子でダークマターの群れに飛び込むと剣を乱雑に振り回す。
戦い慣れしていないものならそう見えたかもしれない。しかしメタナイトは剣をむやみに振り回しているわけ
ではなく、その一閃一閃が確実にダークマターを一体ずつ葬っている。
まさに一撃一殺といったところだ。
対しケルベロスは斧をその重量を生かして力いっぱい振り回す。
本来斧は振り切った後の余剰な勢いが隙になりやすいのだが、ケルベロスはその勢いを次の一撃に利用、上乗
せしている。
その斧は地面を抉り、刃に当たれば両断し、柄に当たればその身を吹き飛ばした。
「一撃一殺なんて勿体無いな。」
その言葉どおりケルベロスはその斧の一振りで何体ものダークマターを薙ぎ払っている。
「こいつら、ありえない。あの数をものともしないなんてぇ。」
そういいながらダークマターを次々を生み出すミラクルマター。
しかし勢いに乗った二人の攻撃にダークマターの生産が追いつかなくなってくる。
「どうした。そろそろネタ切れか。」
ケルベロスはそれを察してミラクルマターを挑発する。
「むっ。調子に乗るなぁ。」
そういいながらもミラクルマターは自分に限界を感じてきた。
「こうなったら。」
そういってダークマターの生産を止め、間合いを取った。
「あたし自身が相手をしてやる。」
手に力を込め、先手を打とうと炎を作り出してそれを飛ばす。
さらに逆の手では氷の刃を作って同じように飛ばした。
「ようなくその気になったか。」
メタナイトはそれらを飛んでかわす。
しかしケルベロスは避けようとはせずに、斧を肩の辺りに構えた。
そしてそれを斜め方向に地面に打ち付けた。
すると岩盤がめくれ上がり、ケルベロスを護る盾となった。
氷と炎の銃撃がひとしきりやんだのを見計らって、ケルベロスは自らが作り出した岩の盾を半分に割る。
そしてその斧を力いっぱい放り投げた。
「トマホーク・ブーメラン。」
その斧は真っ直ぐにミラクルマターへと飛んでいく。
しかし直線軌道しか描かないそれは難なく避けられた。
「ブーメランなの?」
ミラクルマター、後方へと飛んでいった斧を少し確認する。
その瞬間、蹴りが飛んできた。
「残念ながら、俺の斧はそんなに便利じゃないんでね。」
そのまま足をミラクルマターの体ごと地面へと叩きつける。
斧は勿論闇夜へと飛んでいった。
そして、ミラクルマターのど元に剣が突きつけられる。
「虹の剣は諦めてもらおうか。」
メタナイトが見下して言い放った。
「くぅ。次こそは頂くからね。」
ミラクルマターの言葉の後まだ残っていたダークマターがメタナイトの剣へと突進した。
それによって切っ先がずれる。
その瞬間にそれを抜け出したミラクルマターは、すぐさま虚空へと消え去った。

「ありがとう、助かった。」
そういって手を差し出したメタナイトにケルベロスは手を返さなかった。
「いや、俺はお前が時を戻そうとしているらしいから助けただけだ。」
「ああ、そうだ。私、いや、私達は時を戻そうと闇に立ち向かっている。」
「お前、仲間がいるのか。」
「今は、そのために必要な欠片と器を集めている。順調に行っていれ、ホロビタスターあたりにいるだろうが。」
メタナイトはそこで言葉を詰まらせると、遠い宇宙を見た。
「そうはいっていないだろうな。」
メタナイトの顔つきが厳しくなった。
「そうか、お前らはがんばってるんだな。」
ケルベロスはそういった後、手を差し伸べて。
「俺も、何か手伝わせてくれよ。」
メタナイトと、握手を交わした。

月が欠けるのは、まだまだ先のこと。

-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/11/11(Thu) 18:46
投稿者名:ティール


闇のもの達が集っているところにやみがさらに帰還していた
「いったいなんだったのサ」
そうぶつぶつと何かをいっているのは『なのサ』口調が特徴のマルクである。
「キーーーー!!あんなの不意じゃなかったらコテンパンにやってやったのサ」
彼の羽はほぼ完全に元に戻っていた。
「でも、この種があれば…」

場所は変わる---------

「それで、これからどうするんだい?」
「それは…」
言葉が止まる銀。
「新しいお友達?」
周りに響き渡る声…銀には聴いたことがある声だった
「たれだ?」
「君に言われたくないんだけど?」
「レイラさん。何でココに?」
暗闇で顔の表情は見えないが確かにそれはレイラだった
「ちょっと用事できたし。艦にいてもつまんなかったから。」
「お仲間さんか?」
「さっき君の話をきいていたけどさ。君の目的とあたし達の目的はちょっと違うかもね…」
「どういうことだ?」
答える影はもうそこにはなかった
「目的が違うってどういうことだ?」
「…わたくしたちは、もともと三人で旅をしていたんですが…」
「旅をしていた?」
「それ以上はなす必要はないでしょう。とりあえず僕の部屋に行きましょう」
彼らも奥へと進んでいった。

リップルスター

「…でしてね。それが…」
ナイトメアは帰還した後お姫様のなぐぁ〜い話に付き合っていた
「…ということなのですのよ」
「……」
「〜♪」
「はぁ〜」
しかも、お姫様やリボンは絵の中でお茶を飲んでいる。(おかし付き
「ナイトメア様うまくいったでしょう?
 昨日から、『おなかがすきましたぁ〜』て騒いでいましたから」
「ガウスさん、お茶のおかわりおねがいします」
「あっわたしも!!」
二人がコップを差し出すと絵からコップだけがでてきた。
それを、ガウスが拾いお茶を注いで機械の上においた。
するとそれは、ふたたび絵の中に戻る
「……」
「ありがとうございます。えっとそれが…」
「ガウス。どうせなら時を止めて絵の中に監禁したらどうだ?」
「無理ですよ〜♪
二人ともクリスタルの恩恵をかなり受けているようですし、
ほかのもの達みたいにダークマターを取り付かせようとしてもむりだったんですから〜♪
それにクリスタルはもう壊すことのできないバリヤーの中ですから」
「……」
お姫様の話はえんえんと続いたそうな

ウィーダは監獄の前の扉の部分にいた
「俺の後ろを取ろうとするのはだれだ?」
「なんだ。ばれちゃった」
「なぜここにいる?」
「お礼参りしに来ただけだけど?」
そういってそれは走りこんできた
「(はやいな…)」
それは、拳を向けてきたがウィーダは間一髪でよけたようだった。
しかし、そこにまわし蹴りが入った。
「……」
「おきてる?あんたにはやってもらわないといけないことがあるんだから。」
「おまえ…レイラじゃないな。別人格か…」
「さすが精神のエキスパートさん。大当たり
封印されていた記憶をあんたが無理に引っ張ってきたから。あたしもでてこれたんだよ〜」
「それで、やってもらいたいことは?」
ウィーダは右腕を押さえながら立ち上がる。
「記憶を全部共有できるようにしろ!これじゃあ何命令されたかあっちも分からなくなるから。」
「ならこれをもっていけ。昔作ったものだ。それをつけてからの見たもの、聞いたことぐらい共有できるだろう。」
そうゆって渡したのは腕輪だった
細身の、きれいな装飾を施されたものである
「ふ〜ん。じゃぁもう用ないから」
そういってさっさと行ってしまった
「…右上腕骨が折れたか…」
その声がのこっていた


「マルクから種かっぱらってきたし。もう用ないか…」
そういって、種のようなものを数個取り出した。
そしてそれは消える。
彼女は向かった

行き先は、マトリエス号-----------


-------------------------------------------------------------

二重人格はやりにくいかも知れません、そのために腕輪をつけさせたのですが。
つけた時からの、記憶が共有されます。

ちなみに、マルクから盗った種は何かに…
リュウさんがのぞむなら、カムイに植え付け、デストル側につかせるために使ってください。
種の効果は、
・埋め込むと、力が増幅する
・役に立たなくなると、種が発芽、力も奪われ動けなくなる
ということで

時が止まったものにつかうと動き出し攻撃します(ぇ

-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/11/11(Thu) 21:45
投稿者名:プチかび


「……変形した……?」
「空間」内に潜入したマラカとシルダリア。
そして少し歩いた所で空間が歪んだような、そんな感覚を覚えたのだ
「……誰かが、侵入したんじゃないだろうな……?」
シルダリアが呟けば……マラカの顔にある人物が浮かび上がる。
「……ティーラかも、しれないなぁ」
そういえばシルダリアは軽く溜め息をついて
「……今のでおそらく空間が複雑になったかもしれないな……」
「まあ、だいじょうぶだろうよ。」
「……だと良いんだが」


「ゼロ様……」
どのくらい、ここにいるだろうか……
時間の感覚が完全に麻痺したこの場所で。
リヴリィーナは一人、「マトリエス号」の廊下の真ん中で座り込んでいた。
隔離され、主のもとへ、大切な人の元へ向かう事も出来なければ
ここから脱出する事も出来ない。
一人隔離されたので誰も居ない、故に助けも呼べない
心細さが心を支配し、涙が出そうになるが
「……だめ。もう私、泣かないって決めたから」
首をふるふると振って奮起する。
「でも……ゼロ様、私は、どうしたら良いですか……?」
小さく呟く。愛する人の姿を思い浮かべながら。
すると…ぐにゃりと、何かが圧しかかってきたような、そんな感覚を受けた。
「……?」
そして次の瞬間、彼女は大きく目を見開いた。
何故なら……
「ゼロ様!?」


「……厄介な事をしてくれた。」
ウィーダは扉の前で嘆息していた。折られた右腕を眺めながら。
右腕はありえない位置から曲がり、肌から何かが突き出している。骨だろう。
「……最も、痛みはあまり感じないんだがな。
ま、一応治しておくとするか……」
……ぐっ、と左手で右腕を元の位置に戻す。
普通なら悲鳴の一つでも上がりそうだが彼の場合全く無表情。
汗すらかいていない。
そして目を閉じて集中すれば左手に何か、暖かい光が灯る。
それを軽く右腕にあてて……数秒もすれば治療完了。
軽く腕を回してみて異常が無い事を確認し、ウィーダは頷いた。
「それにしても02様。ここに入れておけって言われたものの……
そこから先の命令が無いな……」
何かあったのか、ウィーダはそう思いつつも文庫本を又開いた。

その頃、ゼロはその光景を見ていた。
(精神が強ければ……痛みも緩和する事が出来るのか……?)
やや驚きの表情を浮かべつつもゼロの表情はどこか苦しそうだった。
(リィーナ……)
果たして彼女は空間を抜け出せることが出来るのか……
(教えておけば、良かったかもしれないな……)
ゼロは心の中で後悔した。
と……
『ゼロ様!?』
「!」
振り返ればそこに、彼女……リヴリィーナが居た。
驚きに目を丸くしながら。
しかしよく見てみると彼女の姿は残像のように掠れていた。
一言で表せば、不安定。いつ消えてもおかしくない
『ゼロ様、どうしてここに!?もしかして……捕まっちゃったんですか!?』
しかし何はともあれ、自分が生み出した幻覚ではないようだ。
ゼロは彼女が現れた理由は考えず、今伝えたい事を言う。
「リィーナ……いいか、必ずその空間のどこかには『繋ぎ目』がある。
空間と空間を結ぶ繋ぎ目が」
『ゼロ様?』
「良いから聞け。そうすることによって奴はお前を閉じ込めたんだ。
例えるなら……メビウスリングだ。」
『メビウスリング?』
「そうだ、前見せただろう?あの数字の『8』を横にした……」
『あ!』
「その中に今お前は閉じ込められてるようなものなんだ。現に抜け出せないだろう?」
『……はい。』
「その繋ぎ目は同時に本来の空間の入り口でもあるんだ。
つまりお前の元居た場所だ。そこへ戻るには、繋ぎ目を消す必要がある」
『……つまり、そのつなぎ目を見つけて破壊すればいいんですね?』
「そうだ。ただ別の場所を傷つけると不安定な空間はお前も巻き添えにして消えてしまう恐れがある。いいか
、必ず繋ぎ目を破壊するんだ。」
『……どうやったら見つけられるんですか?』
「それは、私にもよくわからない…だが、何かしらの違和感はあるはずだ。
無理矢理繋げているんだからな。」
『はい』
そう言ったところでリヴリィーナが一瞬、完全に消えたかと思うとかすれながら現れる。
「…そろそろ終わりのようだな…」
『何がですか?…そういえば、ゼロ様、今どこに…?』
「基地だ。02とウィーダによって戻された。」
『!…ゼロ様…!』
「だがリィーナ、もし来るとしても決してお前一人できてはいけない。
お前一人で私を助けるのは今の状況からして不可能だ、分かっているな?」
『…はい……』
「よし。」
又、彼女の姿が消えかける。
『…ゼロ様、消えちゃうんですか…?』
彼女も、同じように自分が映っているらしい。
やがて声までもが遠くなっていく…消えるのは時間の問題か。
「…どう言うわけだか分からんが、十分だろう…言いたいことは言った…
リィーナ、無茶はするなよ。」
『…ゼロ様…』
「…又後で、会おうな?」
寂しげで不安そうに言う彼女を少しでも彼女を安心させたかったのか……
ゼロは消え行くリヴリィーナに向かって珍しく微笑んで言う。
するとリヴリィーナは笑って、大きく頷いた。
『はい!ゼロ様、又後で―…』
全てを聞く前に……彼女の姿は完全に、消えた。


座り込んでいたリヴリィーナの視野がぐにゃりと歪む。
歪みが直れば……そこはマトリエス号の中。
暗闇の中に居たゼロの姿は、もう無かった。
「ゼロ様…」
会えた、喜び。
でも消えてしまった、悲しみ…
「ゼロ様……!」
先ほどのゼロの言葉を思い出し、リヴリィーナは立ち上がれば…驚いた。
廊下の奥の方に曲がり角が出来たていたのだ。
「……あ!」
リヴリィーナは即座に駆け出した。
そして、廊下を曲がれば―……
そこには又別の、今までと違う「マトリエス号」の廊下が広がっていた。
今度は両脇に扉もついている。
「……やったあ!!」
リヴリィーナは違う景色に変わった事を嬉しく思ったのか軽い足取りで走り出す。
そして、興味を持ったのかドアノブに手を掛け、そっと開けてみる……が。
―その先には何も無く、闇が広がっていた。
「!?」
本能がここから先へ進んではいけないと自身に警告を発した
それに促されるままにリヴリィーナは生唾を飲んだ。
事実、それに飲み込まれたら最後、どこに飛ばされるか分からないだろう。
心なしか、風が吹き込んでいる。リヴリィーナは扉を閉めた。
すると、またしても景色が変わっていて…進めるはずだった廊下は行き止まりになっていた。
いつのまにか、彼女が開けたドアも消えている。
そして行き止まりの場所には、扉があった。
取り付けられたプレートにはこう書かれていた
『船長室』と。

-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/11/12(Fri) 16:58
投稿者名:一太郎


「え〜と・・・」
イチタが呆然として言う。
「・・・(本物か?)」
「うわぁ、ホントに逢えたよ!ヤナギさん!」
ユカリがドライバーをぶんぶん振り回しながらヤナギに言う。
「ええ・・・」
ヤナギが依然、オミニアから距離を測りながら言う。
「・・・(嫌な状況になったわね・・・)」
「やっほ〜!イチタ〜!」
「本物か?」
イチタがとりあえず訊く。
「本物に決まってるじゃん。」
「何で?」
「イチタとアシュルが旅立っちゃってから、まぁいろいろあってあたしも旅立ったの。」
「いや、そういう事を訊いてるわけじゃなくて・・・」
イチタがユカリの隣に立っているヤナギを見て、訊く。
「何で―――」
ヤナギといるんだ?と繋げようとしたが、マトリエス号から出てきた少年の声でそれは遮られた。
「イチタ〜、艦の修理手伝ってよ・・・」
アシュルがヤナギとその隣に立つユカリを見て固まる。
「・・・何で?」
アシュルの第一声はそれだった。

「ユカリ、ヤナギから離れろ。」
イチタが落ちつきを取り戻してユカリに言う。
「・・・何で?」
「早く!!!」
アシュルが叫ぶ。
言われるがままに、首を傾げつつもユカリがヤナギから少し離れる。
その瞬間を待っていたかのように、オミニアが再び大地に手を着ける。
再び植物の根のような物がヤナギを拘束する。
「もしかして・・・イチタ達とヤナギさんって敵同士なの・・・?」
ユカリがハッとして訊く。
イチタとアシュルは何も答えない。否、答えられない。
サイビィの宿主が具現術を発動する。
「・・・くっ・・・」
イチタが歯軋りする。

―――友がいなかったユカリの、新しい友を殺しても良いのか?
―――親友の友人を奪っても良いのか?

「くそっ・・・(迷いは全て、あの時に絶ち切ったと思ったのに・・・)」
あの時=熱で寝こんだ時。

「終わりだ。」
宿主が具現術を放つ――

-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/11/12(Fri) 20:02
投稿者名:ホシカゲ


イチタとユカリが言葉を交わす少し前。
海岸を散歩していたルートはふと顔を上げた。
「ん、あれは……?」
赤い短髪の人間が空を飛んでいる。
そして、それに続いて金の長髪の蒼い翼が生えた人間。
「……誰だ?」
もちろん彼らはゼロツーと宿主であるが、彼らと面識のないルートはそれを知る術がなかった。
赤い短髪の人間が後ろをちらりと見た後、彼はすっ、と姿を消し、
長髪の人間は辺りをきょろきょろと見た後、諦めたような表情で元来た道を引き返して行った。

「……ま、気にしても仕方がないしほっとこ」
ルートはマトリエス号がある辺りを眺めた。
先ほどまで上がっていた煙は消えている。
ルートはそちらの方角に足を向けた。




マトリエス号。
今や煙と炎は消え、致命的な損害は免れたようだった。
ルートはマトリエス号艦内に入り、図書室に向かった。
本棚から適当な本を取り、椅子に腰掛けてそれを読み始める。


 * * *


戦略会議が終わって数10分後。
ソグネとナイトメアは『それ』を見上げていた。
「設計図通りだ……」
ソグネは満足そうな顔。
「お前……いつの間にこんなものを作った?」
ナイトメアは驚きの顔。
「私はダークマターに設計図を渡しただけです。
 ダークマターは文句も言わない黙々と作業をこなす、忠実でいいものですね」
「うむ。その辺りはゼロに感謝せねばな。
 ……ところでこれはどういう武器を搭載している?」
「それはですね……」
ソグネが説明を始める。




『それ』の全長は約100m。
角ばったフォルムの航行艦で、前方には大きな砲口がある。
砲口といっても砲弾を発射するためのものではなく、
高圧魔法エネルギー凝縮弾を発射するためのもの。

魔法エネルギーはダークマターの命を利用。
艦内にダークマター生産者を常に配備し、エネルギー不足はない。
エネルギー充填には相当時間がかかるが威力は高く、
それが命中すると星1個はやすやす破壊できる。
もちろんエネルギー砲以外にも一般的な武器は装備済。




「――と、こんなところです」
「なるほど。これを使えば奴らも一網打尽だな」
「ええ。奴らをちまちま潰すのも面倒でしょう?
 次の星についた頃を見計らって星ごと消してやりましょう」
「うむ。……ソグネ、この艦の名称は?」
「あ、まだ決めてませんでした」
ソグネは腕を組み、しばらく考えた。
そして、口を開いた。

「神がかった破壊力……。
 ならば『神の鉄槌』など如何でしょう?」
「『神の鉄槌』か。早速奴らが次に行きそうな星に飛ばすか」
「次の星は……炎の欠片と器があると思われるコレカラスターでしょうか」
「ああ」
「では、人員を集めてきます」
ソグネは部屋を出た。


闇は鉄槌を片手に重い腰を上げた。

-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/11/12(Fri) 22:40
投稿者名:グレイスデビル


館長室付近
そこでは2人の少年と一人の男が対峙していた。
少年のうちの一人は両手にナイフを構えている。
ルメニアである。
もう一人が構えているのは、明らかに箒である。
こちらの名はブルームハッターだ。
「箒とは、これは又珍しい。」
その2人が退治している男、スリークが言った。こちらもナイフを持っている。
対しブルームハッターがにやりと笑った。
「3世代続いている箒だよ。じっくり味わってね。」
そういうと箒が男に向かって振り下ろされる。
男はそれを左のナイフで受け止めると、続けざまに右手でナイフを投げる。
真っ直ぐにブルームハッターへと向かうそれは、ルメニアのナイフによって弾かれた。
ルメニアはそのままナイフで空を切ると、その切っ先に沿って真空が生み出される。
それはナイフの勢いをかりてスリークへと飛ばされる。
風の魔法<ウィンディ・ザッパー>だ。真空派とも言う。
真空の刃はその進路上のすべてのものを斬りながらスリークへと飛んでいく。
スリークはその不可視の刃を切っ先の方向とルメニアの視線だけで判断して避ける。
その隙にブルームハッターは自分の帽子に手を入れた。
この帽子はマジカルハットといいその場に応じたものが取り出せるという魔法の帽子だ。
取り出したのは、何か大きなもの。
どうやって出てきたのかは分からないが、高さ1メートルほどの黒い柱のようなものだった。
出てきたはいいものの当然ブルームハッターの力ではビクともしない。
ブルームハッターは不満の目で帽子を見つめて
「なんだよこれ。じいちゃん、これそろそろ寿命じゃないのか。」
「なんだそれは。そんなものでは私のナイフからは逃れられんぞ。」
そういってナイフを又投げつける。
それはブルームハッターへと真っ直ぐに飛ぶ
はずだった。
そのナイフは進路を急遽変えて、その柱へ向かっている。
そして、柱にぶつかると、そのまま柱とくっついた。
「なんだと。」
スリークは突然の自体にナイフを今度は連続して投げつけるが、それらもすべて柱へと吸い寄せられた。
危機を回避したブルームハッターは身を緩めた。
「磁石?」
その黒い柱は鉄を吸い寄せる石。つまり磁石でできていた。
そしてナイフの刀身は鉄でできている。ナイフによる攻撃が利かないと分かったスリークは逃げることを考え
出した。
(く。ナイフが使えないか。そして向こうは二人。逃げるのが得策か。)
しかし、ルメニアはそれを許さなかった
ルメニアはスリークの後ろに回ると
「スタンナイフ。」
そう叫んでナイフを突き出す。その刀身は電気を帯びている。
これもルメニアの魔法によるもの。威力自体は然程強くないが、相手を痺れさせるという効果がある。
「ぐっ。」
スリークはそれによって全身の動きを封じられる。
そして立っていられずにその場に倒れこんだ。

ここは監獄。
その中にはゼロが入れられている。
それを見張るのウィーダ。
2人の目の前には紅茶が1杯ずつおかれている。
「毒薬か。それとも自白剤か。」
ゼロは訝しげな目でそれを見つめている。
「別に飲まなくてもいいよ。」
そういってウィーダは自分の紅茶をすする。
別に親睦を深めるわけでも何かの薬を飲ませるつもりでもないようだ。見張りが暇だから紅茶を入れたのだ。
「紅茶を一人ですするのは切ないからね。」
そうしているときに監獄に誰かが入ってきた。
「ウィーダ、ご苦労だった。」
ゼロツーだ。ゼロツーはゼロの前のカップを見ると。
「殺さないでくださいね。」
そういってウィーダの隣の椅子へと腰掛けた。
「俺って信用無いなぁ。」
そういってウィーダはゼロの分の紅茶も飲み干した。

「さて、今さっき面白いものを見てきました。」
そういうと右手をかざしてダークマターを生み出す。
「お願いしますね。」
ゼロツーの言葉に反応してダークマターの目から光が発せられる。
光が壁に当たると、映像を映し出した。映写機のようなものである。

そこには、全長は100m程、前方に大きな砲口がある航行艦が写っていた。
『なるほど。これを使えば奴らも一網打尽だな』
『ええ。奴らをちまちま潰すのも面倒でしょう?
 次の星についた頃を見計らって星ごと消してやりましょう』
映像の中ではナイトメアとソグネが話していた。どうやらこの船についてらしい。

「ありがとうございました。」
ゼロツーはダークマターを自分に取り込みなおすと。
「さて、どう思いますか。」
ゼロツーがゼロに挑戦的な目を向ける。
「決まっている。」
ゼロは格子の隙間から手を出してゼロツーに掴みかかると、
「全力でとめてやる。」
殺意を込めた表情で睨みつける。
そこにウィーダの手が伸びた。
「ゼロツー様に手出しはさせないよ。」
その手がゼロの頭の近くにきた時、ゼロは身を引いた。
さらにおびえた表情を向ける。
「はははっ。よっぽど酷い物を見たみたいだね。」
ウィーダはゼロを笑い飛ばすと手を引いてぶらぶらと横に振る。
ゼロツーは服をひとしきり調え直して話し出した。
「もしあれを破壊でもしたら、あいつらはどんな表情をするんでしょうねぇ。」
「貴様、何を考えている。」
「さてね。」
そういってゼロツーは監獄の鍵を監獄の中に放り込んだ。
さらにダークマターを生み出す。
「こいつを見張ってください。そして私からの指示がとどいたらそのとおりにしてください。」
「了解しました。」
そういい残して2人は監獄から姿を消した。

ゼロツーたちが去った後、ゼロは鍵を握り締めて考えていた。
鍵がいつでも開けられる以上、ダークマターなど見張りにもならない。逃げ出すのは簡単だ。
「いったいどういうつもりなんだ。」
「今は待機してください。とのことです。」
そう答えたのは、目の前のダークマターだった。
他のものと違って、はきはきと言葉を発している、
ゼロは疑問に思いながらも、《ゼロツーからの》指示を待つことにした。

ゼロツーはウィーダに柔らかな視線を向けて言った。その目からは、純粋な優しさや、愛を感じられる。
「ウィーダ。」
「はい、何でしょうか。」
「手伝ってくれますよね。」
「はい、勿論です。」
ウィーダは大きくうなずいた。
しばらく歩いた後に、
「ダークマターに感情を求めるのは、間違っていないですよね。」
ゼロツーは誰にも聞こえないようにそう呟いた。

-------------------------------------------------------------------------------




前へ リストへ 次へ